農業に関する本を一気に3冊読みました。「ほんとの野菜は緑が薄い」と「野菜の裏側」は自然栽培を実践している同じ著者で、違う出版社の2匹目のドジョウでしょうか、内容はよく似たものになっています。もう1冊は「農はショーバイ!」、ビオファームまつきのオーナーによる著書です。前者は有機農業を含めた肥料の使用を否定しているのに対し、後者は有機農業を強力に進め、また勧めています。
巷では何でも有機の方が良いという風潮がありますが、これはまず間違いなく間違いです。今まで読んだたくさんの本や情報により、これは確実に言えます。有機でもやり方を間違えればかえって野菜や土壌にとって有害であることは、多くの専門家が指摘しているところです。そしてそのような野菜も多く出回っていることもあるようです。
同様に、化学肥料が絶対に危ないということも絶対にありません。化学という表記がイメージを悪くしているのでしょう、何か自然界に存在しない危ないものという風に思われがちですが、どっこい原料は鉱石など自然界のものです。成分を化学的に抽出しているという意味なのです。
有機でも化学でも肥料をやりすぎれば同じような害があります。それを化学肥料だからその害が出るという偏重した情報だけが喧伝されています。よく言われるブルーベイビー症候群は、有機でも化学でも起こりえます。原因は同じなのですから。
有機農業が化学肥料を使った農業に優れている点としては、循環型農業の実現があります。動物の糞を肥料とし、できた野菜の残さをその動物の飼料とする、日本では肥料も動物のエサも輸入に頼っていますから、国内で完結するこのシステムは理想的でしょう。
いずれにしても、有機農業はメリットもあるけれどデメリットもある、加えてうまくやるには難しさがあるということで、私たちは取り組んでいません。無肥料ではないけれどごく少量の液肥を、本当に散発的に、ほとんど気まぐれ程度にやるだけで、言ってみれば微肥料栽培といったところでしょうか。もちろん無農薬で。
実は肥料をあまりやらないことの本当の理由は、お金をかけるのが嫌だからだったりして。
2010年11月04日
有機農業の賛否
posted by bourbon_ueda at 00:00| Comment(0)
| 畑づくり
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