もう一つは同じ有機肥料でもその中身が違うことです。日本の食糧自給率の低さがしばしば指摘されていますが、いくら国産の牛や豚や鶏を食べても自給率は上がりません。なぜならば、それらの飼料のほとんどが輸入に頼っているからです。問題はその飼料で、有機肥料とはそうした訳のわからない飼料を食べた家畜の排泄物をもとにしているので、その肥料の質が問題なのです(実際そのような悪例があります)。
その意味で、今までことさら有機農法にこだわってきたわけではない私たちでしたが、今年からは否が応でも有機農法にならざるを得ません。その理由はもちろん、昨年から飼い始めた鶏たちです。大量の鶏糞が出るのでこれを定期的に鶏舎を掃除し、畑の隅で熟成させています。
もともと有機農法を意識していたわけではありませんが、これを使わない手はありません。しかも鶏たちが食べている餌はもともと私たちが無農薬で作っている野菜の残さだし、病気抵抗のための薬なども使っていないため、心配は要りません。まさに最近提唱されている地域での循環型農業をわが家だけでやっているといった格好です。
鶏の山盛りうんちを見たい人はいないと思うので写真は撮りませんでしたが、それをこの日畑の畝にまいたのがこの写真です。この時期は周りでも畑が始動しているのがよくわかるのが、こうした畑に肥料をとりあえずまいているといった光景です(後日トラクターで混ぜるのです)。
ということで、今年は一部の人に対しては胸を張って有機農法と言うことができます。というのは、その一部の人は有機でなければ食べる価値がないといったあからさまな反応をすることがあるのです。これは以前からある間違った有機信仰の現われで、本当にこれはどうにかならないものかといつも思っています。